- 定理 6-1.
が領域 において与えられた任意の2点を結ぶ から経路独立であるための必要十分条件は において
ここで における偏微分は連続と考えられます.
条件 (23) はまた が全微分であることの条件でもあります.すなわち, のような形をした関数 が存在することです.そのような場合,曲線 の末端を および とすると,積分値は以下により得られます.
特に,仮に (23) を満たし が閉曲線であるなら以下により が得られます.
定理 6-1 の結果は空間における線積分にも応用できます.ゆえに以下が得られます.
- 定理 6-2.
が領域 において与えられた任意の2点を結ぶ から経路独立であるための必要十分条件は において
ここで における偏微分は連続と考えられます.
その結果はベクトルの観点から簡潔に表現できます. とすると,線積分は と記述でき,条件 (26) は条件 と等価です.仮に が物体に作用する力場 を表すとすると,その結果は物体をある点から他の点に移動するのになされた仕事の記述と等価であり, の時にのみ2点を結ぶ経路独立です.そのような力場のことを 保存力場 と呼びます.
条件 (26) (または条件 と等価)は又 (又は )が全微分であるという条件でもあります.例えば のような関数 が存在します.そのような場合では仮に曲線 の末端を および とすると,線積分の値は以下により得られます.
特に が閉曲線で とすると