性別 | 男性 | 女性 |
---|---|---|
年齢 | 目安量 | 目安量 |
0-5 M | 4 | 4 |
6-11 M | 7 | 7 |
1-2 | 60 | 60 |
3-5 | 70 | 70 |
6-7 | 85 | 85 |
8-9 | 100 | 100 |
10-11 | 120 | 120 |
12-14 | 150 | 150 |
15-17 | 160 | 160 |
18-29 | 150 | 150 |
30-49 | 150 | 150 |
50-69 | 150 | 150 |
70- | 150 | 150 |
妊婦 | 150 | |
授乳婦 | 150 |
性別 | 男性 | 女性 |
---|---|---|
年齢 | 目安量 | 目安量 |
0-5 M | 4 | 4 |
6-11 M | 7 | 7 |
1-2 | 25 | 25 |
3-5 | 30 | 30 |
6-7 | 40 | 40 |
8-9 | 45 | 45 |
10-11 | 55 | 55 |
12-14 | 70 | 65 |
15-17 | 80 | 60 |
18-29 | 75 | 60 |
30-49 | 75 | 65 |
50-69 | 75 | 65 |
70- | 75 | 65 |
妊婦付加量 | 0 | |
授乳婦付加量 | 0 |
栄養上重要なビタミン K は動物性食品に広く分布するメナキノン-4 (ビタミン K2)と納豆菌の産生するメナキノン-7 です.ビタミン K は肝臓でプロトロンビンや他の血液凝固因子を活性化し血液凝固を促進します.骨に存在するオステオカルシンはビタミン K 依存性たんぱく質であり,ビタミン K はこれを活性化して骨形成を調節します.ビタミン K が不足すると血液凝固が遅延しますが,通常の食生活ではビタミン K 欠乏は起こりません.
腸内細菌によるビタミン K 産生や生体組織内でのビタミン K 合成がどの程度ヒトのビタミン K 必要量を満たしているかは分かっていませんが,生体の需要を満たすほど多くはないことは Vitamin K deficiency from dietary vitamin K restriction in humans という実験から分かっています.
ビタミン K 欠乏症が起きると血液凝固が遅延します.臨床的には手術後,ワーファリン内服中,抗生剤の長期投与後などにビタミン K 欠乏が起こります.しかし血液凝固因子の活性化に必要なビタミン K 摂取量は分かっていません.また骨折予防のために必要なビタミン K の量は血液凝固因子活性化よりも多いと考えられています.
日本人男性 10 名を対象にしたビタミン K 欠乏食を与えた Vitamin K deficiency from dietary vitamin K restriction in humans という研究があり,2010 年版ではそれを基にビタミン K の目安量を設定していますが,2015 年版では対象者数が少なく科学的根拠に乏しいとしています.
平成 22 年,23 年の国民健康・栄養調査でのビタミン K 摂取量の平均値はそれぞれ 185 µg/d, 280 µg/d です.日本人においては納豆を食べているか否かでビタミン K 摂取量に差があり,Vitamin K Content of Foods and Dietary Vitamin K Intake in Japanese Young Womenという報告では納豆摂取者のビタミン K 摂取量は 336.2 ± 138.2 µg/d, 納豆非摂取者で 154.1 ± 87.8 µg/d でした.これを基に 150 µg/d を目安量と設定しています.
高齢者においてはビタミン K の目安量を引き上げる必要があると考えられますが,報告が十分でないため目安量は成人と同じ値に設定されています.
小児の目安量は体重比の 0.75 乗を用いて体表面積を推定する方法で外挿しています.新生児はビタミン K 欠乏に陥りやすく,出生後数日で消化管出血をきたしたり,生後 1 ヶ月で頭蓋内出血を起こすことが知られています.そのため日本においては出生後直ちにビタミン K の経口摂取が行われています.それを前提として 0-5 ヶ月児では母乳中のビタミン K 濃度 5.17 µg/L に基準哺乳量 0.78 L/d を乗じて目安量を 4 µg/d と設定しました.6-11 ヶ月児では食事摂取を考慮して 7 µg/d を目安量に設定しました.
周産期におけるビタミン K 必要量を検討した資料はあまり存在しません.ビタミン K は胎盤を通過しにくいことから妊婦と非妊婦でビタミン K の必要量に差はないと考えられ,150 µg/d と設定しました.授乳婦においてビタミン K が不足するという報告はないため,同様に 150 µg/d と設定しました.
ビタミン K を大量摂取しても毒性は認められていません.そのため耐用上限量は設定されていません.
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日本人の食事摂取基準(2015 年版)脂溶性ビタミン (pdf) br>
日本人の食事摂取基準(2010 年版)ビタミン K (pdf)