を表裏のある開いた面とし,閉じた交差しない曲線 (単純閉曲線)で囲まれているとします. に垂直な直線が の一方の側にあれば正と考え, の反対側にあれば負と考えます.いずれの面が正となるかは任意ですが,あらかじめ決めておく必要があります.仮に観察者が の境界線上を歩きながら,その頭が正の法線方向を指していてその面を左に見ているなら の方向または反時計周りを正と呼びます.そこで仮に が単一値で連続で, を含む空間内のある領域において連続な一階偏微分を有するなら,以下を得ます.
ベクトルの形では および これは以下のように簡潔に表現できます.
つまりこの定理では, ストークスの定理 と呼びますが,単純閉曲線 に渡るベクトル の接線要素の線積分は, を境界とする任意の面 に渡るベクトル の回転の法線要素の面積分に等しいと言えます.特殊例として (39) において とした場合,その結果 (28) を得ることに注意が必要です.