微分方程式の定義
微分方程式 とは微分を含む方程式のことです.
ただ一つの独立変数を含む方程式を 常微分方程式 と呼びます.2つ以上の独立変数を含む方程式を 偏微分方程式 と呼びます.
微分方程式の階数
n次の微分を持つ方程式がそれ以上高階の微分を持たない時,n階微分方程式 と言います.
任意定数
任意定数とは,しばしば1文字で記述され A, B, C, c1, c2 などのようにアルファベットで始まりますが,関与する変数とは独立しているのを前提にしています.例えば という関数においては c1 と c2 が任意定数です.
の式の関係は と記述され,事実上ただ一つの任意定数を伴っています.定数の最小数が存在することを前提にしています.すなわち任意定数は 不可欠 です.
微分方程式の解
微分方程式の 解 は変数間の関係であり,微分を持たず同一の微分方程式を満たすものを言います. は の解であり,2 = 2 の同一性を置換したものです.
n 階の微分方程式の 一般解 は唯一の n 個の(不可欠な)任意定数を伴います. が 2 つの任意定数を有し,2 階の微分方程式 を満たすため,それは の一般解です.
特殊解 は一般解の任意定数に特殊な値を割り付けることで得られます. は の特殊解であり,一般解 に c1 = -3 および c2 = 2 を代入することで得られます.
単解 は任意定数の値を特定しても一般解からは得られません. の一般解は です.しかし別の置換法によって見てみると はいかなる定数 c によっても一般解からは得られません.この後者が単解です.
曲線族の微分方程式
n 階の微分方程式の一般解は n 個の任意定数(または変数)をもち,n 変数の曲線族 を幾何学的に表しています.逆に n 個の任意定数との関連は(時に 原始関数 とも呼ばれますが) n 階の微分方程式と関連付けられており(故に一般解なのですが) 族の微分方程式 と呼ばれます.この微分方程式は原始関数を n 回微分することにより得られ,その結果 n + 1 個の方程式の中で n 個の任意定数は消えます.