今回は黒ストローを用いてハニカムグリッドを自作する方法を述べます.太いストローや作業に適したプラダンが100円ショップで見つからず,Amazonで購入しました.目的はモデルの背後から当てるリムライトです.
- ヒカル小町を購入する
- 材料を購入する
- 組み立て
1. ヒカル小町を購入する
ヒカル小町にはいくつかの種類がありますが,今回は下記を使用することにします.ガイドナンバーは5でそれほど大きくありません.
ガイドナンバーの大きい物が必要な場合は下記がよいでしょう.
2. 材料を購入する
材料リストは下記の通りです.
- 黒ストロー
- ステンレス製ボウル
- 接着剤
- プラダン(黒)
黒ストローは Amazon で購入しました.一般の細いストローも検討しましたが,市販のハニカムグリッドに近いほうが良いかと思われたためです.これはタピオカ用で直径 1.3 cm と通常よりかなり太いものです.
ステンレス製のボウルは内面の光沢をストロボの反射鏡として用います.口径は 13 cm のものにしました.他には 11 cm のものや 18 cm のものもありました.用途に応じて選べばよいでしょう.
接着剤は100円ショップで購入しました.ストローの素材はポリプロピレンなので,ポリプロピレンを接着可能なものを選びます.瞬間接着剤は避けたほうがよいでしょう.プラダンも Amazon で購入しました.
3. 組み立て
- 必要なストローの数を計算する
- ストローを切り揃える
- ストローを接着する
- プラダンを巻きつけて接着する
1. 必要なストローの数を計算する
必要なストローの本数はボウルの口径とストローの直径で決まります.今回は口径 13 cm のボウルに直径 1.3 cm のストローを用いるので,最低10本のストローでボウルの開口部を覆うことができると推測します.円を隙間なく詰めていくと六角形になるのは経験上分かります.正六角形にするには六角形のある頂点と対角の頂点を通る円の数が奇数である必要があり,今回は 11 本のストローが必要となります.この本数を n とすると,全体で必要なストローの本数 N は下式で求まります.11 本の場合は全部で 91 本が必要とわかります.
2. ストローを切り揃える
定規で長さを計りながら必要な本数の黒ストローをはさみで切断します.今回は 2 cm と 4 cm の二種類を作ることにします.多少不揃いになりますが問題ありません.大数の法則から平均値 2 cm および 4 cm に収束する筈です.
3. ストローを接着する
下図のように 1 列ごとにストローを接着していきます.あらかじめ必要な本数ごとに並べておくとよいでしょう.
下から順に積み上げて接着していきます.手早く作業を進めます.
六角形になりました.接着剤が固まらないうちに片面を作業台に押し当てて先端位置を揃えます.多少ずれていても実用上問題はありません.
4. プラダンを巻きつけて接着する
プラダンをストロー周囲に巻きつける際,プラダンの性質に注意する必要があります.プラダンは厚さが 4 mm あり,そのまま曲げると折り目付近に歪みが発生します.接着したストローが分解しないように補強するのが目的ですので,折り目の内側に切込みを入れておくのがよいでしょう.今回購入したプラダンは長辺 60 cm, 短辺 45 cmの製品です.一辺 8 cm 高さ 5 cm および高さ 6 cm の正六角柱を作るため,45 cm × 5 cm および 45 cm × 6 cm 程度の長方形をそれぞれ切り出します.
実物で合わせながら折り曲げていきます.仮組みしながら切込みを入れていくのがよいでしょう.写真は切り込んだ部分を表裏逆に広げたものです.
切込みと折り目づけが済んだらストローに接着剤を塗ってプラバンを接着します.この際,切り口の揃った方に合わせて下さい.写真は接着後にステンレスボウルに被せた状態で撮影したものです.
ツイッターでカメラ内蔵フラッシュでも使用できるかとの質問をお受けしました.結論から申し上げると効果はありません.こういったグリッドは点光源を一旦ソフトボックスで拡散光にし,拡散光をさらにグリッドで収束させるのが目的です.指向性がありながら硬すぎない光質を作るのが目的で,その結果被写体にはグラデーションのある陰影ができます.