直交ベクトル

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 二つのベクトル a_1\bold{i} + a_2\bold{j} + a_3\bold{k} および b_1\bold{i} + b_2\bold{j} + b_3\bold{k} のスカラー積またはドット積は a_1b_1 + a_2b_2 + a_3b_3 であり, a_1b_1 + a_2b_2 + a_3b_3 = 0 ならばそれらのベクトルは垂直または直交します.行列の観点からこれらのベクトルは列ベクトルと考えることができます.

\displaystyle A = \left( \begin{array}{c} a_1 \\ a_2 \\ a_3 \end{array} \right),\ B = \left( \begin{array}{c} b_1 \\ b_2 \\ b_3 \end{array} \right)

これらは A^TB = a_1b_1 + a_2b_2 + a_3b_3 という性質があります.

 これにより 実数の列ベクトル A および B の内積A^TB と定義し, A^TB = 0 なら A および B直交 するとの定義に至ります.

 これらを複素数を要素に持つ場合に一般化し,次の定義を採用するのは便利です.

定義 1. 二つの列ベクトル A および B\bar{A}^TB = 0 なら 直交 と呼び, \bar{A}^TBA および Bスカラー積 と呼びます.

 仮に A がユニタリ行列なら \bar{A}^TA = 1 であることに注意が必要です.それは A とそれ自身とのスカラー積が 1 であり, A単位ベクトル であることすなわち長さが 1 であることと等価です.ゆえにユニタリ列ベクトルは単位ベクトルです.これらの特徴から以下を得ます.

定義 2. ベクトルの集合 X_1,\ X_2,\ \cdots について

\displaystyle \bar{X}^T_jX_k = \left\{\begin{array}{cc} 0 & j \ne k \\ 1 & j = k \end{array} \right.

unitary set or system of vectors と呼び,あるいはベクトルが実数の場合には 正規直交の集合 または 単位ベクトルの直交の集合 と呼びます.

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投稿者: admin

趣味:写真撮影とデータベース. カメラ:TOYO FIELD, Hasselblad 500C/M, Leica M6. SQL Server 2008 R2, MySQL, Microsoft Access.

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