仮に であって更に が正則行列つまり が存在するなら,以下のように記述して (17) または (18) を解くことができます.
更にこの連立方程式は一意解を持ちます.
代わりに未知数 を以下のように表現することもあります.
ここで は 連立方程式の行列式 と呼び, (9) により与えられまた は から k 番目の列を除去して列ベクトル に置換して与えられる行列式です.(20) に表した公式を クラメールの公式 と言います.
下記の4つの場合が考えられます.
例 1, . この場合一意解が存在するはずで,全てでない はゼロに違いありません.
例 2, . この場合唯一の解は です.すなわち です.しばしば 自明な解 と呼びます.
例 3, . この場合自明解以外に無限に多くの解が存在するはずです.この時少なくとも一つの方程式が他の方程式から得られます.すなわちその方程式は線形従属です.
例 4, . この場合 (20) におけるすべての行列式 がゼロの時にのみ無限に多くの解が存在する筈です.他の場合は解は存在しません.