仮に が 次行列とすると,列ベクトル に作用して別の列ベクトル を形成する演算子 または 変換 と考えることができます.この解釈によると方程式 (21) はそれらのベクトル に, によりそれら自身の定数倍(または同じ方向を持ち大きさの異なる同等のベクトル)に変換されたのはどちらだろうかという疑問が生じます.
仮に が直交行列の場合,その変換は 回転 となり,そのような場合になぜ全ての固有値の絶対値が 1 に等しくなるか説明できます.なぜなら通常ベクトルの回転はその大きさを変えないからです.
この変換の考えは行列の属性への解釈を与える際に非常に便利です.