仮に が y 軸に平行なあらゆる線が,せいぜい2点における
の境界に接するなら,
に接する曲線 ACB および ADB の等式をそれぞれ
および
と記述できます.ここで
および
は
において単一値で連続です.この場合,二重積分 (3) を評価できます.領域
を x 軸及び y 軸に平行な直線でグリッドを形成し,
をそれに対応する面積とする長方形として選択します.ゆえに (3) は次のように記述できます.
ここで( x を定数として扱い)括弧内の積分を最初に評価し,最後に x について a から b まで積分します.その結果 (4) は二重積分がどう評価されるかを示しています.それを2つの単独の積分という面で表現すると 逐次積分 と呼びます.
仮に において,2点で
の境界に接する x 軸に平行ないかなる直線でも曲線 CAD および CBD の式は
および
と記述でき,同様に以下のことが分かります.
仮に二重積分が存在するなら (4) および (5) からは一般に同じ値が得られる筈です.二重積分を記述する際, (4) または (5) のいずれの形でも適切な方が用いられます.これを他には 積分順序の交換 とも呼びます.
が上図で表現した形でない場合は,この形
に細分化します.ゆえに
の二重積分は
の二重積分の和として見つかります.