多重積分の変数変換

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 領域 \cal R 上の多重積分を評価するにあたり,直交系以外の座標,例えば第5章で考慮したような曲線座標をしばしば便利に用いることがあります.

 仮に (u, v) をある平面上の点の曲線座標とすると,xy 平面の点 (x, y)uv 平面の点 (u, v) にマッピングする変換式のセット x = f(u, v),\ y = g(u, v) が得られるはずです.その場合 xy 平面の領域 \cal Ruv 平面の領域 {\cal R}' にマッピングされます.ここで次の式を得ます.

\displaystyle \underset{\cal R}{\iint}F(x, y)dxdy = \underset{{\cal R}'}{\iint} G(u, v)\left|\frac{\partial (x,y)}{\partial (u, v)}\right| dudv \cdots(9)

ここで G(u, v) \equiv F\{f(u,v), g(u,v)\} および

\displaystyle \frac{\partial (x, y)}{\partial (u, v)} \equiv \left| \begin{array}{cc} \frac{\partial x}{\partial u} & \frac{\partial x}{\partial v} \\ \frac{\partial y}{\partial u} & \frac{\partial y}{\partial v} \end{array} \right| \cdots (10)

u および v についての x および yヤコビアン です.

 同様に (u, v, w) を3次元における曲線座標とするなら x = f(u, v, w), y = g(u, v, w), z = h(u, v, w) という変数変換式セットが得られ,下記のように記述します.

\displaystyle \underset{\cal R}{\iiint}F(x, y, z)dxdydz = \underset{{\cal R}'}{\iiint} G(u, v, w) \left| \frac{\partial (x, y, z)}{\partial (u, v, w)} \right|dudvdw \cdots(11)

ここで G(u, v, w) \equiv F\{f(u, v, w), g(u, v, w), h(u, v, w)\} および

\displaystyle \frac{\partial (x, y, z)}{\partial (u, v, w)} \equiv \left| \begin{array}{ccc} \frac{\partial x}{\partial u} & \frac{\partial x}{\partial v} & \frac{\partial x}{\partial w} \\ \frac{\partial y}{\partial u} & \frac{\partial y}{\partial v} & \frac{\partial y}{\partial w} \\ \frac{\partial z}{\partial u} & \frac{\partial z}{\partial v} & \frac{\partial z}{\partial w} \end{array} \right|\cdots(12)

上記は u, v and w に関する x, y および zヤコビアン です.

 その結果 (9) および (11) は二重積分及び三重積分の変数変換に対応します.

 より高次への一般化も容易に可能です.

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投稿者: admin

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